第19回公演『ピスケン』

大阪/1991年9月27日(金)〜29日(日)オレンジルーム
作・演出 マキノノゾミ

CAST
守神健次       三上市朗
磯辺綾子       キムラ緑子
大杉栄        清水秀一
萩原朔太郎      穂積哲也
佐伯新太郎      藤原孝一(劇団そとばこまち)
伊藤野枝       都間さくら
上田稲子       林英世
城戸晶        岩田真希
野口英世       マーシー吉田
巡査(留田熊吉)   加藤パタル
特高A(川口)    光吉利彦
特高B        井上博仁
特高C        後藤正治
城戸杳子       田中佐和子
給女A        勝平ともこ
給女B        白木三保
給女C        大河原夕紀子
愛鈴         井上薫(ゲストシンガー)
甘粕正彦       羽左間幸雄(黒手組)

STAFF
照明 大川貴啓
音響効果 堂岡俊弘
照明補助 諏訪誠 細辻保子
音楽 柄崎昌一
ピアノ演奏 堂迫康雄
舞台監督 藤吉成三

イラスト 石渡治
写真 満井裕子

制作 小川友記子 後藤正治
企画・製作 劇団M.O.P.

▼あらすじ
 大正十四年、横浜のカフェ「青猫」。
 女主人・綾子が経営するそのカフェには、詩人のハギワラ、不良少年のキッドらが入り浸っている。ある夜、そこに乱入した一人の男は、世間を騒がせている希代のピストル強盗「ピスケン」であると名乗る。続いて現れるアナキスト・大杉栄の亡霊。綾子は、大杉のかつての愛人であった。そして、実業家・佐伯新太郎とその友人の科学者野口英世もやって来る。佐伯は、国産モルヒネの事業化の夢に燃えていた。いつの間にか宴となっていく「青猫」の夜。
 綾子は、「ピスケン」が偽物であることを看破していた。そして、一緒にピストル強盗をやっていくことを提案する。こうして、二人による「和製ボニー&クライド」の日々が幕を明ける。
 だがやがて、その日々も次第に暗雲に覆われていく。大杉の亡霊と綾子の仲に入っていけないピスケンの葛藤。思想犯を弾圧するために訪れる特高警察たち。キッドとその姉・杳子の愛憎劇。ハギワラは、妻・ハギモガとの生活を見つめなおすために「青猫」を去り、佐伯は内務省衛生局の弾圧にあって夢を破られ……一人、また一人、ピスケンのもとを去っていく。ピスケンは佐伯の敵をうつため、爆烈弾を持って、内務省衛生局へと赴いてゆく。 ピスケンによる連続爆破事件が勃発する。ピスケンを捕縛せんと、「青猫」に乱入する特高警察たち。特高たちを制したのは、憲兵隊甘粕正彦であった。大杉を殺した人間である甘粕は、もう一度大杉の亡霊に会って、大正という時代が何であったか確かめるために「青猫」に来ていたのだ。
 そこへ戻ってくるピスケン。だが、爆破事件によってキッドの父親が重傷を負ったことが判明する。大杉は、妻・伊藤野枝の亡霊とともにパリへと旅立ち、「青猫」に残ったのは、綾子とピスケンの二人となる。
 「青猫」は今や、夥しい数の警官隊に包囲されていた。二人は寄り添うようにして外へ出て行く。やがて、すさまじい銃声が……。

※初めてグランドホテル形式(同一の場所で事件が展開する)に挑戦した、M.O.P.版『俺たちに明日はない』。大正時代、大杉栄・伊藤野枝、神近市子をモデルとした綾子など、その後のマキノワールドに繰り返し現れる時代、キャラクターが描かれ、『HAPPY MAN』シリーズと一線を画した転機的作品だった。