▼あらすじ
元禄十五年、品川の遊郭。「頼まれたらイヤとは言わない」のが身上の男・八兵衛は、遊郭の勘定を払わないまま、居残りとして肺病の転地療養をきめこんでいたが、ある日、借金取りの女・お季里に、踏み倒した店賃二十両の返済を迫られる。お季里は、かつて因縁のあった役者・江坂菊次郎の襲名披露のために金を必要としていた。
今日も、様々な人間が、八兵衛に頼み事をしに訪れる。遊女、たいこもち、貸本屋、岡っ引きの親分などなど……。お季里は、いつの間にか八兵衛の代理人的立場となって、むちゃな頼み事を軽く引き受けては、金を稼いでいくことに。八兵衛は、知恵と機転で、時に飄々と、時に必死に、難局を切り抜けていく。
そんな時、遊郭に来ていた侍の親子−実は、大石内蔵助と、その息子主税−が「この店で一番の遊女に、息子の初体験の相手をつとめてほしい」と依頼してくる。八兵衛は、お季里を遊女に仕立て、主税の相手をさせる。
主税は、討ち入りを前に、この世への未練から目を背けることによって恐怖をごまかそうとしていた。季里は、そんな主税に、それは本当の勇気ではないことを語る。
内蔵助は、主税が成長したことに満足して、品川を去る。見事二十両を稼いだ季里だが、菊次郎が自分を騙していたことを知り、八兵衛と酒を酌み交わしながら笑うのだった。
※登場人物全員がヅラを被った、本格マゲモノ芝居。『幕末太陽伝』をベースに、落語的事件とキャラクターが次々登場。メイン四人以外のサブキャラクターを僅か三名の役者で演じるという遊びも好評だった。 |