▼あらすじ
歌人にして作家の岡本かの子の半生記。
かの子は、漫画家である夫・一平、息子・太郎と暮らしながらも、血みどろの恋愛遍歴を繰り返していた。作家志望の青年・堀切と同棲し、ために堀切に心寄せる実妹・きんを深く傷つけ、父や弟を傷つけ、太郎の下に生まれたばかりの息子の死を経験し……。修羅の時代であった。そして大正十二年、かの子は鎌倉で作家・芥川竜之介と出会う。だが、大震災に襲われた直後、一平は、芥川に、かの子への愛の形を高らかに宣言する。
かの子は、いつしか小説家として名声を築いていく。一平、太郎に加え、医者である愛人・新田や、恒松青年らとの奇妙な同居生活の中、川端康成の理解を得、芥川の自殺を受け止めて……。そして、かの子はある日、かの子を認めないという林芙美子に、自分の決心した壮絶な生き方を宣言する。
かの子に、死が訪れようとしていた。一平はかの子に、精一杯の愛を打ち明ける。
※岡本かの子の凄まじい「愛」の形を描いた渾身の一作。 |